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なぜ、駒場寮の写真を撮ることになったのか?
なぜ、駒場寮の写真を撮ることになったのか?_f0134538_2331257.jpg

川本三郎「マイ・バック・ページ」を読んで
http://petitmatch.exblog.jp/16871931/
のつづき。

なんで、そもそも、駒場寮の写真を撮ることになったのか?
しかも、なぜ、東京大学の施設を、武蔵野美術大学の学生であった私が?

それにはまず、私が通っていた学科の特殊性(?)から説明しなければならない。

私は、武蔵野美術大学造形学部の、基礎デザイン学科という学科に通っていました。
この学科は、デザイン学科と名前はついていますが、いわゆるデザイナー養成の学科ではありません。

"「基礎デザイン学」とは、専門教育の前段階としての基礎訓練を意味するものではなく、デザインの専門性を社会変革に即して柔軟に捉え直し、各専門領域に通底する問題の水脈を絶えず掘り起こしていく、創造的な概念装置ということができます。
メディアがデザインとアートの領域を相互浸透させ、自然認識さえ問い直されようとしている今日、その意味はますます大きくなっているといえます。
本学科がめざしているのは、デザインの企画、計画、研究、教育、評論など、幅広いフィールドで活躍する人材、すなわち、常にデザインの新たな課題を発見し、それを社会的な活動を通して表現することのできる、新しい型の職業人を育成することにほかなりません。"
http://www.musabi.ac.jp/kenkyu/kiso-de/index.shtml
↑高校生の時は意味がわからんかったけど、今読むと深淵だな!!思わず引用してしまった

ものすごくザックリ言うと、
「デザインとは何か?」を考えよう
(そして学んだことを、自分なりの形で社会に貢献してゆきましょう。) という学科です。
*合ってんのかな〜…これは同じ学科の人なら必ず背負う十字架だと思いますが、
常に、これで良いのか、不安!!

今はどうかわからないけど、当時は、授業選択にもかなりの自由度がありました。
自分は3年生でプロダクトデザインのゼミをとり、4年生でグラフィックデザインのゼミをとっていました。
それに加えて、一般教養扱いで映像学科の授業を主にとっていて、
カラー写真基礎という、カラー写真を撮影して、それを自分で手焼きしてプレゼンするという、
ワークショップ的な授業もとっていました。
(白黒現像は学科の必修であったので、写真撮影についての知識は軽くありました)
自分が所属していたゼミは、授業内容もかなり自由なもので、
中間課題も「自分が好きなものについての本を作る」というもので、
(これは、マッチの本を作って提出しました。未だに帰ってこない…)
卒業制作は「本」という形態であれば、内容は何でも良いというものだったので、
「『古い建物を改造して住んでる人』についての本を作ろう」
と考えました。

私は以前から「集合住宅とコミュニティ形成」について興味があり、3年生のゼミでコーポラティブハウス
(一般的なマンション、アパート等の集合住宅とは違い、入居希望者が集まって組合を結成し、その組合が事業主となって、土地取得から設計者や建設業者の手配まで、建設行為の全てを行う集合住宅のこと。
パッと見一軒家のような姿をしているようなものから、見た目は分譲マンションのようなものもある。)
について調べて、授業では、コーポラティブハウスのモデルケースみたいなものを提案して発表したのですが、コーポラティブハウスとともに、建物のリノベーション(リフォームより更に大掛かりな改修。壁をぶち抜いたりなど)、コンバーション(建物を本来用途から転用して利用すること。例えばテナントビルをリノベーションして、住宅に転用するなど)に興味を持っていました。

今では、建物のリノベーション、コンバーションも当然のように行われ、
そういう物件の流通も、割と簡単に行われるようになってきていますし、
そもそも「デザイン」というものへの関心が世の中的に高まってきていて、
インテリアや、DIYに興味がある人も多いと思うのですが
(そういう、「暮らし」に対する需要がないと、IKEAは日本に再進出しなかったと思うし…)、
2001年頃は、少なくとも、自分が知る限りは、そういった雰囲気ではありませんでした。
主に建築学科の学生や、美術系の人、あとはものすごく建物に興味がある、こだわりのある人だけが、
古い建物を改造して住んでいました。

『古い建物を改造して住んでる人』の本を作ることで、
建築への興味、写真の技術、グラフィックデザインを、一冊にまとめることができる。
4年間のまとめとなるこの本こそ、卒業制作にふさわしい と、その頃の私には思われました。

それから私は、対象となる建物のピックアップを始めました。
この頃は、駒場寮については、うっすらとしか知りませんでした。

写真は、寮の台所です。こういう、「暮らし」の部分を、知りたかったし、残したいと思いました。

つづきます。
by petit_montre | 2011-11-28 22:00 | 写真
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